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「この屏風画、生々しいだろ、何でも人の生き血を使ったっていう、まことしまやかな噂が有るらしいがな」
「ナニよそれ……、ホラー映画のネタじゃない」
寝る直前に見せられた、とんでもないモノに心拍数が上がる、安眠など出来る筈がない状況だ。
「てか、なんでそんなモノが、貴方の家にあるの?」
「近くの、由緒ある寺院から譲られたらしいってのは、死んだ、じいちゃんから聞いた事があるな」
「何か、曰く付きの品物みたいね……」
エリカのその言葉に豪一は黙り込む。沈黙が場を支配し、重苦しい淀んだ空気が漂う中、豪一が再び口を開いた。
「少尉殿、地獄は、八つある事を知っているか?」
地獄は仏教の説かれる所に寄ると、その中心は八大地獄である。まず等活地獄、そして、黒縄地獄 、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄 、無間地獄の八つである。
「へえ、そんなにあるんだ……」
エリカは、豪一の説明に目を白黒させながら聞き入り妙に感心しながら納得していた。
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