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「ま、待てよ何を血迷ってやがる、少尉殿!!」
「私に恥をかかせるつもり?」
余りにも、突然の美味しい状況、あれほど拒んでいたのにも関わらず、エリカ自らが、その禁忌を破って来るとは予想外の展開だ。
「何を企んでいるんだ、少尉殿……、そんなに簡単に一線を越えちまっていいのか?」
「あら?、怖いんだ……、私と寝るのが」
「ばっ、バカ言え!!、童貞小僧じゃあるまいし、緊張して出来ねぇって事はない」
「じゃあ、大丈夫じゃない?」
「いやぁな、その、順番ってもんがあるだろ……、物事にはよぉ……」
どうにも、歯切れの悪い、奥歯に物が挟まっているような、物言いの豪一に、エリカは、口角を歪ませ、妖艶な笑みを浮かべる。
「仕事じゃあなくて、私情が入ったから、判断が鈍ったんでしょ……、気持ちは、有難いけど、軍人としては失格ね」
「いいのか?、少尉殿……」
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