=勝沼= 世界の片隅で…

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「そういや、少尉殿、知ってるか、業ってヤツは巡るんだ、男女が嵌合しあうとお互いの業が相手に流れ込むらしいぜ」 豪一の言葉にエリカは敏感に反応する。彼女は上体を起こして豪一の顔を覗き込み見つめる。 「それって……」 「そうだ、俺たちは、一蓮托生ってこったな」 豪一は、ニヤリと笑い、エリカの不安を払拭しようと努めていた。夜も更け、東の空が白み始めた頃、2人は眠りに付いていた。 その、けたたましい足音で眠りから覚まされたのは、朝の7時だった。足音の主は夏美。2人の寝室に入ってきた彼女は、全裸のエリカと豪一を見て、ニヤっと薄気味悪い笑みを顔一面に浮かべる。 「豪兄、早速、子作りたぁお盛んですなぁ」 「ん……、夏美か……」
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