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居間の食卓で、夏美はご飯を盛り付けながら、豪一とエリカに話し掛けていた。
「ウチのお墓、山の上にあるから大変ですけど、大丈夫ですかエリカさん」
「えっ!?、ええ、大丈夫ですけど……」
エリカの食いっぷりに、いつもの勢いがない。妙に豪一を意識しながら、粛々と御飯やおかずを食べていく。その様子に夏美は女の"カン"ともいうべき閃きが頭を巡っていた。
「もしかして、豪兄、エリカさん初めて……」
夏美の、いきなりの一言に豪一は味噌汁を盛大に吹き出した。エリカはびっくりして箸をとめる。
「夏美!!、お前は食事中に何を言い出すかと思えば!!」
「もぅー、豪兄ったらぁ、照れない、照れない、なかなか、やりますなぁ」
夏美の不敵な笑い声が朝御飯の食卓に響きわたる。
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