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「野郎!!、アメリカに渡ってやがったか!!」
叫ぶ豪一を遮って、今まで黙っていた、夏美が手を上げ、自らの疑問をぶつけた。
「でも、巫女のお姉さんはどうなったの?」
「彼女も鎌倉時代末期にこの地から去るんじゃよ、海辺に出たらしいがの……」
「2人共、死んでないんだ……」
夏美は少しホッとしたように表情を緩める。しかし、豪一の表情は厳しいままだ。
「問題は、男の方だぜ、少尉殿の話しから推定するとヤツは何かを企んでやがる」
しかめっ面の豪一に住職の栄俊は思案顔で問い掛ける。
「話しが見えないんだが……、説明してくれんか、豪一君」
「あっ!?、すみません住職、彼女のオヤジさんの上司が、この男らしいんです」
「おいおい、その男って……、まっ、まさか……」
「彼女は吸血鬼でしたよね、だったら契約を交わした男も吸血鬼ってコトです、現在も生きていても不思議じゃない!!」
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