=勝沼= 世界の片隅で…

54/60
前へ
/343ページ
次へ
瞬く間に時は過ぎて、明日は、2人で木更津駐屯地へ戻ることになっている。 轟家の風呂場で夏美とエリカが一緒に湯船に浸かり、最後の別れを惜しんでいた。 「エリカさん、もう帰っちゃうんだ……」 「いろいろ、ありがとうね夏美ちゃん、楽しかったわよ」 「エリカさん、私達と家族になろうよ……、ここを帰る場所にしたらいいじゃない?」 「こんな私でも、夏美ちゃんの家族にしてくれる?」 「私は大歓迎だよ!!、こんなにキレイな、お姉さんが出来るんだもん」 「やっぱり、そういう事になってるんだ……」 「違うんですか?」 「只の同僚よ……、アノ人は」 否定するエリカに夏美は、ニヤニヤ笑いでいやらしい視線を向け言う。 「只の同僚が裸で同じ布団に寝てるかなぁ!?」 「あっ、あれには、訳があるのよ!!」 「へへっ、やっぱりなんだ、豪兄は、あの通り不器用な人間(ヒト)だから、エリカさん、みたいな人がいないとダメなんだよねー」 夏美のその言葉にエリカは心の中で否定する、ダメなのは自分の方だ彼がいなければ、命さえ危うい状態だったからだ。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加