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「夏美ちゃん、すごい勘違いをされてるみたいなんだケド……」
エリカは困惑気味の様子で否定する態度を現すが、夏美は意に介する事なく続ける。
「勘違いって、なんですか?、父さんや母さんも凄く、喜んでたし……」
「あっ……、もう、手遅れみたいね……」
ガックリと頭を垂れ、うなだれるエリカを夏美が次に発する言葉で止めの一撃を浴びせた。
「次に、くる時は正式に挨拶だね」
「えっ!?なんでソコまで予定が入ってるワケ」
困惑顔のエリカをよそに、夏美は思案顔でボソボソと呟く。
「でも、心配なのよね、世界中に得体の知れない化け物が現れて、大混乱だし……、就活も、なかなか大変だし……、食品とか不足してきてるし」
夏美の言葉を耳に止めた、エリカは彼女の耳元で、そっと囁く。
「豪一さんのコネクションを利用したら?」
「あー、ダメ、ダメ、豪兄って、そういうのは一番キライだから、無理ですよ」
エリカは、その言葉を聞いて納得していた。失敗には寛大だが不正な事には、とことん厳しい、たとえ、親兄弟であってもソレを許さないという彼の意志が現れている事を感じていたからだ。
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