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「こっ、子供ーっ!?」
ナターシャの口から放たれた、衝撃の一言が豪一を直撃する。確かに、1ヶ月前までナターシャとは関係を持ち、避妊もせずに絶対領域を攻め続けた結果がコレだった。
「3ヶ月目に入ったわ」
「うへぇー、最初のヤツが直撃弾かよ……」
ガックリとうなだれる豪一にナターシャは、優しく語り掛ける。
「心配しないで、責任を取ってとは言わないわよ」
ナターシャのその一言に、豪一は素早く反応し、頭を上げた。怪訝そうな顔つきで彼女を見やる。
「いいのか?、認知しなくて……」
「この子は、米軍のモノよ……」
ナターシャの口から出た、その言葉に豪一は戦慄する。お腹の子供も自分と同じように米軍から見れば、"実験動物"なのだと気付いてしまったからだ。
「なんてこった……、死にたい気分だぜ」
「冗談でも、そんな事は言わないで、どんな形であれ生きているって事が大切なのよ」
「しかし、責任を感じるぜぇ……、あんたの旦那に何て言えばいいんだ?」
「大丈夫よ!、何とでも成るわよ!!」
あっけらかんと答えるナターシャに豪一は女のたくましさと恐ろしさを感じる。本当にどういう神経をしているのか?と、頭の中を覗きたくなる衝動に駆られる。
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