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ナターシャは双眼鏡を覗きながら舌舐めずりをする。非常に嬉し気な口調でエリカに話しかける。
「さあ、エリカの王子様の登場ね、なかなかいい動きしてるわ、彼」
隣で、ボディラインが良く出た、スピードスケートの選手が着るようなスーツを全身に纏うエリカがやはり手にした双眼鏡で豪一の機体を追いながら言う。
「重機のエキスパートだから、当然でしょ、それにしても、"精神感応"に良く対応してるわ、"センス"はあるって事ね。それから、王子様はないから!!」
エリカのセリフに、ナターシャは軽く頷きながら、口元を歪ませ冷たい笑いを浮かべた。
彼女がこの笑いをする時は良からぬ事を企んでいるのをエリカは知っていたから思わず眉をひそめたのだ。
「ナターシャ、あんた、何を企んでいるの?。"アレ"の中身は私のダミーよね」
「そうね、正確には"戦闘用人工知能"、(コンバットAI)だけどね」
「人工知能と奴ら、どう関係があるの?」
「この10年続いた戦争で、優秀な人材を人類は失い過ぎたのよ、人工知能による戦力の補完と進化が今回の計画の骨子よ」
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