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その豪一に、更なる悲劇が訪れる。9月下旬、日本各地にマンホールが出現。ギガント達が地上に溢れる。
陸海空自衛隊は全軍上げての対応に追われる。米軍の助けを借りて、なんとか撃退を続けていたが、被害は甚大だった。
そんな中、豪一は一本の電話を受ける。電話の主は、妹の夏美であった。その声は取り乱していた。
「豪兄!、父さんや母さんと連絡が付かないのよ!!」
豪一は、取り乱す妹をなだめ、状況を聞き出す。どうやら、勝沼方面にもギガントが出現したようだ、夏美は、たまたま甲府市に用事あって出掛けていたらしく、帰り道は規制線を張られ帰宅困難になっていたという。
「どうにかならないの!?、豪兄ーっ!!」
「どうにかって言われてもなぁ……、そうだな、浩二にも連絡して一緒に探してくれって頼んでみろ!」
「してみたけど、浩二兄にも繋がらないの……」
夏美の声が暗く沈むのが電話越しに分かる程、トーンがダウンするのが豪一にも嫌ほど感じる。嫌な予感がするが、あまり考えたくないので、豪一はひたすらに心の中で否定していた。
豪一も飛んで帰りたい衝動に駆られるが、今は首都圏の復帰作業に従事しなければならない業務命令を受けており、個人的な都合で任務を放棄する訳にはいかなかった。それ故に妹の夏美に無理を言って、自分が戻るまでの間の事を頼んだのだ。
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