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そんな世界情勢など関係なく日常生活は続いていく。豪一は、一睡もせず朝を迎えた。今日は夏美を伴って実家のある地域に入る。 一応、用心の為に89式自動小銃とPー220自動拳銃を携帯する。使わないに越した事はないが、丸腰で行くよりは、多少は安心感がある。
豪一は、昨日と同じく若い自衛官を1人帯同させて、災害対策本部を後にする。しばらく走り、避難所の下にあるバス停で夏美をピックアップする。彼女はタンガリシャツにジーンズ、スニーカーを履いてる。
「と、轟二曹、この女性は、どなたでありますか?」
「ん、俺の妹だ、よろしく頼む。調査を手伝ってもらう」
豪一の返事に、若い自衛官、本家は戸惑いながらも、了解するが夏美の存在は彼には気になる様子だった。その姿を豪一はニヤニヤしながら横目で見ていた。
「豪兄、大丈夫だよね……」
「心配なら、コイツが守ってくれるさ!」
豪一は、そう言って本家を親指で指し示し、ニヤリとする。いきなりの指摘に緊張の面持ちで慌てて、返事を返す若い自衛官、本家の姿があった。
「轟二曹殿!!、光栄であります!!、全力で当たらせて頂きます」
あまりにも仰々しい、本家の物言いに、夏美は吹き出して笑い声をあげる。
「もぅー、何なの、この人わ!?。不安感いっぱいじゃない……」
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