=化身=

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「轟二曹、何を企んでいるの?」 「企んでねぇよ、少尉殿が本当に復活してるか、見てぇんだ!」 豪一の言葉にナターシャは、鼻から軽く息を抜くと、納得した表情で彼に答えた。 「了解したわ、轟二曹。その件は、私の方で調整してあげる」 「期待してるぜ、大尉殿」 豪一は、初めて笑顔を見せて、ナターシャとエリカの方を向いた。エリカは、その笑顔に懐かしいモノを感じていた。 エリカの視線を感じた、豪一は彼女の方へ歩みを進める。エリカは少しずつ後退するが、やがて壁に背後を絶たれてしまう。 「少尉殿、本当に忘れちまったんだな…… 」 そう言って、豪一はエリカの左側の巨乳を自らの右手でむんずと掴んで揉みしだいた。突然の豪一の行動にエリカは呆気に取られ、声を上げる事さえ忘れていた。やがて、鋭く叩く音が響き渡る。 「何をするんですか!?、初対面の女性に」 エリカは豪一の頬を思い切り張り飛ばしていた。豪一の口元から血が滴る程の強さで、その平手打ちは命中していた。豪一はニヤリと笑い、その血を右手でぬぐうとエリカに言う。 「いい、平手打ちだ、それでこそ、少尉殿の本領発揮ってもんだ!!」 エリカは、この日本人、轟二曹の突拍子のない行動が理解できない。女性に破廉恥な行為を行い平手打ちを食らって笑っている神経に、正直バカなのかと疑いたくなるのだった。
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