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エリカと別れ、ナターシャと豪一は機体のコクピットで黙りこくっている。その沈黙を破る様にナターシャが口を開いた。
「もう、私にもコントロール出来ないわよ……」
「大尉殿の手からも離れちまったか…… 」
豪一の機体は砂煙を上げて彼の部隊の集積地点に帰投してきた。豊田整備長以下の整備員達がわらわらと集まってくる。
「おお、やっとお帰りか、もうあんまり時間がねぇぞ」
ハッチを開けて、姿を現した豪一とナターシャを見て、豊田整備長はニヤケる。
「よぅ、豪一、朝っぱらからデートかぁ!?」
豊田整備長の言葉に豪一は苦笑しながら、右手を顔の前で振り否定するが、ナターシャが笑いながら後ろから姿を現し大きく頷いた。
「大尉殿、誤解を招くような真似は止めてくれ」
「ふふ、女に会いに行ったのは間違いない事だからね」
ナターシャは、そう言って意地の悪い笑いを浮かべると豪一の横腹を肘打ちした。豊田整備長はそんな2人の様子を見て呆れていた。
「なんでぇ、女連れで女に会いに行ってやがったのか!?」
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