=化身=

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「こちら、轟2等陸曹だ、聞こえるか?、オペレーションルーム」 「感度良好、映像もバッチリよ、落ち着いてるわね、轟2曹」 「今更、ジタバタしても、始まらんからな、アイツ(エリカ)は、こっちをもう捉えてるんだろ?」 「わからないわね……、分かるの轟2曹?」 「殺気ってのか……、何か背中がぞくぞくする、嫌ぁーな感覚が……」 そう豪一が口にした瞬間、豪一の機体のミサイルポッドが一瞬で消し飛んだ。 後から、甲高い発射音が豪一の耳に飛び込んでくる。 「なっ……、音速を越えるってことは、レールガンか!!」 豪一の顔が見る見る、引き締まっていく。目付きは、まさに武道家のソレ。恐ろしく無表情に計器を読み取り、計算し最善の方法を導き出す為に頭脳をフル回転させる。 「なるほど、アウトレンジから圧倒的な火力で叩きにきたか!!、だったら、やり方はこうだ!!」 豪一は、そう叫ぶと、機体のホバリング機能を限界まで引き出して蛇行運動を繰り返しながら、巧みにエリカからのレールガンの攻撃を避け、次第にその距離を縮めていく。 そんな、豪一の機体をエリカはコクピットから全天スクリーンに映し出される機影を目で追い口元を歪ませ薄気味悪い笑みを浮かべる。 「接近戦に持ち込むつもり?、愚かな選択だわ……」
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