=化身=

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豪一の行動をエリカは嘲笑い、やはり彼女も巧みに機体を操り、豪一の攻撃を回避し近づいていく。やがて、エリカの機体を中心にして豪一の機体が周囲から波状攻撃を仕掛けていく。 至近距離から撃ち出される120ミリ滑空砲。その、超高速徹甲弾の直撃に耐える装甲の堅牢さに豪一は舌を巻く。確かに直撃した瞬間装甲は飛び散るのだが、弾けた装甲は、その生々しいささくれた部分を見せながら、たちまち修復していく。 「さすが、オリハルコン製だな、生体金属の性能ってのを見せつけやがる」 豪一もコクピットで、嬉しそうに答える。その顔には、面白くて仕方ないといった笑みを一面に浮かべているが、状況は笑っている場合ではない。彼は状況が悪くなるほど嬉しくなってくる変態的な性分があった。基本的にドMな性格なのだろ……。
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