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「楽しいとは、言えない仕事ですよ、機甲歩兵は」
「そうかー、男なら一度は乗ってみたいロボットの操縦士だぞ!?」
「ユンボや戦車と一緒ですよ、あんな事は出来ません」
そう言って否定したものの、豪一は、エリカの機体を思い出して首をかしげる。その様子に植村艦長は踏み込んで質問を投げかけた。
「噂は聞いている、"例の機体"が消え失せたって話しは自衛隊内、陸海空全体に広がってるぞ、"公然の秘密"ってヤツだ」
「直さん、渦中のオレでさえ、謎が多すぎて訳が分からない状態ですから」
確かに、豪一が言うように今回の作戦は最初から異例づくめな事だらけだ、更迭された人間の艦長人事、異常なまでに過剰な部隊編成そして、アメリカ海軍の艦隊の艦艇数、海中からは、知りうる限りで世界中の潜水艦が集まっている事を示す、スクリューの音紋が記録されていた。
「これだけ、豪勢に盛られたら素人でも気付くだろって話しだコレは」
そう言うと植村艦長は、公然と上層部をくさする態度を示し、豪一を見やった。
「俺にとっては、上層部がどうかって事より、俺自身のケジメを付ける為に今回の作戦に乗っかったてのが真相ですよ」
「何だよ、ケジメってのは?」
植村艦長は訝しげに、豪一を見やると、その内容を話す様に促したのだった。
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