=堕天の島=

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「なるほどな、2段構えの防衛ラインを構築するってわけか!!」 植村艦長は納得した様子で水割りをグイっとあおると、その顔をニタリとさせて豪一に指先を向ける。 「後、植村艦長、意見具申をよろしいですか?」 「なんだい!?、藪から棒に、堅苦しいのは抜きと言ったろが!!」 真面目な表情で口をひらいた豪一に植村艦長は渋い表情を浮かべて答えていた。 「このフネを早めに島へ着けて欲しいんです」 「そりゃ、急げと言われりゃ、船脚を早めてやるよ……」 「すみません、アイツと戦うには、用意周到に準備をしたいんです……」 「用意周到ってか……、惚れた女を殺すのに準備万端ってのは気持ち悪いな正直」 「それくらい、やらないとアイツは倒せないんです。やるなら徹底的にです」 「本当に変わったな……、前はかなり大雑把だったが今のお前さんは、身の毛がよだつ程、精緻に物事を詰めて来やがる」
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