=堕天の島=

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翌日、彼、植村艦長の仕事は早かった。朝イチでのブリーフィングの後、各部署の責任者達は一斉に仕事に取り掛かる。正に電光石火、部外者である豪一達にもはっきりと分かる動きで、物事が進んでいる。 元々、段取りが済んでいたとはいえ、下手をすれば一から再度やり直さなければならない状況にも陥っているはずだが、それを感じさせないのは流石にプロフェッショナル達の凄味だろう。 そこに豪一は、植村艦長を筆頭に末端の一隊員までビシッと貫かれた意志の強さと使命感に溢れる気概を感じていた。 「豪一、揚陸は明日の朝イチで行う、予定日より1日早いからな、多分、司令部がうるさく言ってくるが、理由はこっちで適当にでっち上げとくから安心しろ!!」 でっち上げるとは、なんとも大胆不敵なやり方だろうと豪一は思う。もっとも一度、更迭人事を食らっている植村艦長自身、余り今の地位には固執していない様に見えるのだが……。
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