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「少尉殿……、いや、エリカ!!、そいつは俺の気持ちを分かって言ってるのか!?」
豪一はエリカに向かい、思いをぶつける様に叫ぶが、エリカは表情一つ変えず返答した。
「あなたの気持ち……、どういう事かしら?」
エリカの言葉に唖然した豪一は、額に右手を当て空を見上げて大声で笑い始めた。
「きれいさっぱり、忘れちまってるって事かい……、全く、愉快だねぇ!」
その言葉を聞いて、今度はエリカの方が怪訝な表情を浮かべる番だった。豪一が突然笑い始めた訳が分からないからだ。
「なぜ?、笑う、何が可笑しい?、轟二曹……」
「笑わずにいられるかよ!!、ツンデレにも程があるぜ!!」
「ツンデレ!?、なんだソレは?」
エリカにとって、謎の言葉が出現した事によって、彼女の思考が少しずつ狂い始めていた……。
「説明する気はねぇよ、だがな一つだけ、はっきりした事があるぜ、これで心おきなく、てめえをぶち殺せるってことだ!!」
豪一は口では、そう言ったものの心は張り裂けそうな程傷付いていた。彼女が記憶を取り戻してくれれば、こんなゲスな台詞を吐かなくて済むのだが、そうはいかなかったのだ……。
「私を殺す?、出来るかしら、アナタに……」
「出来るか、出来ないかじゃねぇ、殺るか、殺らないかだぜ!!」
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