=堕天の島=

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最早、ギガント達を純粋で賢いと言うエリカに豪一は自らの価値観と彼女の価値観がまったく違っている事を思い知らされる。 「人類(ひと)をどうするつもりだ!!」 豪一の問いかけにエリカは、恐ろしく冷淡に言い放った。 「人類(ひと)の絶滅よ!!」 エリカの決定的な一言に豪一は絶望を感じる。彼は、なぜ人類の絶滅が必要かエリカに問いかけた。 「何の為にヒトを滅ぼす?」 「人類は地球のガン細胞だからよ、放置すれば、間違いなく、この星を滅ぼすわ」 エリカの言葉に豪一の口は止まる。確かに彼女の言う通り現在の人類の活動は地球環境に多大な負荷を掛けていた。結果は温暖化による異常気象といった形でその姿を具体化していた。 「まあ、放置しておいても勝手に自分達でやらかして滅びる運命だけどね……」 エリカの口調が人類の愚かさを揶揄する様に豪一は感じていた。滅びる……!?、なぜ、未来を見越した様な口ぶりで言うのか?、疑問符が豪一の心中を支配する。 「なぜ、未来が分かるって顔つきね?、アノ人が見せてくれたわ」 「アノ人!?」 そう言ってエリカの上を指差した先を追う豪一の視線に止まったのは、"例の女王様"だった。
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