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豪一の言葉を受けて、彼女は再び凄みのある獣の様な表情をその端正な顔に浮かべ口元を歪ませながら言う。
「言ったはずよ、人類(ヒト)を滅ぼすと……」
「手前勝手な理由(わけ)で他人の人生を弄ぶのは、やめろ!!」
「人類(ヒト)は歴史(とき)の流れの中でしか生きられないわ……」
「人外の化け物にも時間の概念はあるんだな……」
「ほとんど永遠的に生きる私に時間の概念は無意味よ」
彼女の言葉に豪一は、不死者の苦しみを垣間見た気がした。彼女の尺度からすると人類(ヒト)の歴史は一瞬の出来事なのだろう……。
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