=堕天の島=

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豪一はアルケミアに向かって、吐き捨てる様な口調で激しい言葉を叩きつけたのだが彼女は平然と反論してきたのだった。 「今更なにを言うかと思えば……、バカとハサミも使い様って言うでしょ、この娘も貴方も私にとっては使い勝手のいい道具なのよ、特にこの娘は、私の血筋を引いているしね……」 アルケミアの口から、放たれた言葉に豪一は息を飲む。エリカがアルケミアの血縁者ならば、今までエリカが発揮した能力の説明が付く。 「なんてこったい……、あんたといい、エリカといい、復讐の為なら手段を選ばねぇ……」 「そうよ復讐の為なら手段は選ばないわ、それは悪い事かしら?」 アルケミアの口からは、人類を滅ぼす事への罪悪感は全く感じられない。豪一が言葉を尽くしても彼女を説得するのはかなり難しいと思えた。女性が一度心に決めると、ソレを翻すのには困難を極める事を豪一はエリカとのやり取りで痛いほど味わってきたから、アルケミアの決意を覆す事が如何に難しいかは容易に想像できた。
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