＝タクティカル・ギガント＝

=堕天の島=

｢本当に分かりやすいヒトねえ……｣

動揺する豪一を、エリカの容姿のアルケミアが苦笑いしながら見つめる。そこには明らかに、哀れみと嘲りが入り交じったものが感じられる。

｢そういう目で見るな……、いずれ白黒付けなきゃならないだろ……｣

豪一は、アルケミアの視線を断ち切る様に手をかざすと立ち上がった。ズボンを手のひらで軽く叩き埃を払う。再びアルケミアに向けた瞳に動揺は無く逆に、はっきりとした決意が伺われる眼差しに変わっていた。

｢フフッ、そうこなくちゃ、面白くないわ｣

本気で覚悟を決めた豪一の姿を見て、アルケミアは満面の笑みを浮かべる。悲壮な思いを背負った男の背中は美しいと歪んだ感情で見つめていた。