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背中越しに、アルケミアを一瞥(いちべつ)した豪一は静かに口を開いていた。
「次に会う時は、敵だ……」
短い一言ではあったが、そこには、豪一の言い表せない感情が込められていた。もう2人の間にはとてつもなく深く暗い大河の流れが横たわっていたからだ。
「後悔するわよ……」
アルケミアは表情を変える事なく言うが声の調子には、ためらいが感じられた。
「私情を挟むのは、ご法度じゃあねぇか」
豪一は、そう口にして、ニヤリと笑ったのだった。
「嫌な人ねえ……、そうやって虚を付いて勝機を見出だそうとしてるのが丸分かりよ」
そう言ってアルケミアは眉をひそめて鋭い視線を豪一に向けると、彼は不敵な笑いを浮かべ言い返したのだった。
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