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「そいつ(エリカ)を抱いた時から、同じように業を背負っちまったんだ。あんたは知らねえと思うが、仏教では、女犯をした坊さんはその女の業を受け入れちまうらしいぜ……」
豪一の言葉に声を失うアルケミアは呆然と立ち尽くしていた。彼の作戦がツボに嵌まり始めていたかに見えた。
「まったく、男ってのは女を支配したがる性分(タチ)が抜けないのね……」
「生物としては、女ってのは最強なんだぜ、男が暴力や権力に固執するのは、生物的に勝てないと本能的に悟っているからだ……」
その言葉にアルケミアも豪一に背中を向けると一言放って奥に去っていく。
「その言葉通りに、女に蹂躙されるがいいわ……」
「俺は、諦めないぜ人類(ヒト)の可能性(みらい)を信じているからな!!」
お互いの生きざまの為に袂を分かつ2人は、その思いを胸の内に秘めて激突することになる。運命の歯車は動き始めたのだ。
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