18人が本棚に入れています
本棚に追加
「まず、あの機体を容易く扱えたのは、大きいわね。重機のプロとはいえ、感応適応力が半端ないのがグッドね」
「適応力かぁ……」
ナターシャの言葉に今一つ理解のないまま、豪一は呟きを洩らす。横間からエリカが皮肉たっぷりに毒付く。
「何にも考えて無いから、簡単にシンクロ出来たんでしょ」
エリカの言葉にナターシャと豪一は同じタイミングでエリカに鋭く視線を投げ掛ける。
「はい、はい、分かりました、お続けください、お2人さん」
そう言ってエリカは取り繕うと直ぐに黙り込んだ。ナターシャは、視線を豪一に戻すと、再び話しを続ける。エリカは顔をそむけながらも聞き耳を立てている。
「ドブスレンコ大尉、質問を一ついいか?」
豪一はナターシャの口元を見つめて、訝しげに訪ねる。
「もし、オレがあそこで死んでたら、どうするつもりだったんだ?」
「どうもしないわよ、次の人間(ヒト)を探すだけよ」
豪一の問いかけに、ナターシャは実に冷徹なビジネスライクな表情でさらりと答えた。
最初のコメントを投稿しよう!