トライアル・1

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「まず、あの機体を容易く扱えたのは、大きいわね。重機のプロとはいえ、感応適応力が半端ないのがグッドね」 「適応力かぁ……」 ナターシャの言葉に今一つ理解のないまま、豪一は呟きを洩らす。横間からエリカが皮肉たっぷりに毒付く。 「何にも考えて無いから、簡単にシンクロ出来たんでしょ」 エリカの言葉にナターシャと豪一は同じタイミングでエリカに鋭く視線を投げ掛ける。 「はい、はい、分かりました、お続けください、お2人さん」 そう言ってエリカは取り繕うと直ぐに黙り込んだ。ナターシャは、視線を豪一に戻すと、再び話しを続ける。エリカは顔をそむけながらも聞き耳を立てている。 「ドブスレンコ大尉、質問を一ついいか?」 豪一はナターシャの口元を見つめて、訝しげに訪ねる。 「もし、オレがあそこで死んでたら、どうするつもりだったんだ?」 「どうもしないわよ、次の人間(ヒト)を探すだけよ」 豪一の問いかけに、ナターシャは実に冷徹なビジネスライクな表情でさらりと答えた。
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