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「今は迷っている時では、ないわ。やれる事をやらなければ、滅ぶのは私達の方よ!!」
モニター画面越しとはいえ、その言葉に豪一はドブスレンコ大尉の固い意思を感じ取っていた。彼はもう、それ以上は口を開かなかった何か言えば、大尉の決意は揺らいでしまうかも知れないとその瞳の奥に浮かぶ感情の色を読み取ったからだ。
「了解、大尉殿の覚悟の程は十分わかった。ここから先は現場の仕事だ、俺に任せてくれ」
そう、今から実際に戦うのは彼、豪一なのだ。離れた場所で指示を出すナターシャには状況の推移を見守るしかない。
「轟二曹、貴方のその言葉を信じたいわ……」
ヘルメットの耳部から聞こえるナターシャの声調子に彼女の希望を彼に掛けたい思いを感じていた。
そして、時を同じくして、いなばから北へ100㎞程離れた洋上では、アメリカ海軍の一団が動き始めていた。
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