修羅の群れ

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ドブスレンコ大尉の言葉通り、米軍の海兵隊の上陸部隊は大挙して押し寄せていた。島の周囲をびっちりと取り囲み、何物も這い出せないほどの密集ぶりだ。 その様子をいなばの艦橋で眺めている植村艦長はため息混じりに副長の本多に話し掛けていた。 「相変わらずの力押しだな……、我々とは雲泥の差だ」 「あちらは世界一の軍事力を持ってるんですよ、艦長!規模が違いますよ、規模が!!」 「確かにな……、実際、圧倒的だ、こっちは総勢4隻だが、あっちは12隻の編成だ主要艦だけでな……」 実際、米軍艦隊は戦闘艦以外の艦艇を含めると30隻近い陣容でやって来ていた。後詰めの艦隊も遠州灘一帯とハワイ方面に展開させる徹底ぶりだ、実にアメリカ海軍の主力艦艇の3分の1がこの周辺に終結する異常な状況だった。
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