修羅の群れ

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「大尉殿、どうやら、その心配は余計なお世話の様だぜ!!」 豪一の言葉にドブスレンコ大尉はモニターにその青い瞳を凝らす。そして面持ちに苦渋を浮かべた。視線の先には圧倒的な破壊力で米軍の機甲歩兵を蹴散らすエリカの機体の姿があった。 「物量的には人類側(こちら)が圧倒してるはずなのよ……」 「大尉殿、戦争ってのは、不確定要素が満載の行為だぜ、何が起きても不思議はねぇよ」 豪一の言葉にドブスレンコ大尉も頷きざるを得ない、あらゆるファクターを想定して手を打つ者が最終的に勝利を掴むのだ。 戦争に限らず物事は段取り八分と言われるが用意周到に準備万端にしても事が実際に動き始めると数多くの問題が提起してくる。 その困難を克服した者だけが最終的勝利を納める事をドブスレンコ大尉は士官学校で学んでいた。
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