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「大尉殿、お互いに、いい死に方は出来ねぇタチだな、地獄まで付き合って貰うぜ」
「死ぬなら1人で逝って頂戴、私はまっぴら御免被るわ」
「ほおー、クールだねぇ、大尉殿は流石、士官学校出のお人は違うねぇ!!」
「私に嫌味を言う程、余裕があるのかしら?、轟二曹」
ドブスレンコ大尉の言葉通り、今の豪一に余裕などありはしなかった。持てる全てを注ぎ込んでエリカの攻撃に立ち向かうしかないのだ。彼の口が饒舌になるのは、その恐怖を押し殺す自己防衛の表れであった。
「ここから、去らなかったのね……」
その言葉と共に、エリカの機体が豪一の機甲歩兵の前に立ちはだかる。周りの空間を歪ませる様な禍々しい圧倒的な迫力に豪一はコックピットで生唾を飲んだ。
(ひゅー!?、勝てる気が全くしねぇな……)
豪一は心の中で毒つくと、躊躇いなく、エリカの機体目掛けトリガーを引いた。120ミリ滑空砲の成形炸薬弾を超至近距離から浴びせ掛ける荒業だ。
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