修羅の群れ

16/35
前へ
/343ページ
次へ
成形炸薬弾は弾頭に仕込まれた炸薬の燃焼によるジェット噴流によって、対象物の装甲を打ち破る仕組みを持った兵器である。その強烈な破壊力がエリカの機体を焼き尽くそうとしていた。 「生きた金属ってことは生き物だからな熱には弱い筈だぜ!!」 確かに、ある意味では彼、豪一の判断は正しかった。しかし、豪一はエリカの機体を構成する生体金属"オリハルコン"の真の恐ろしさを知るよしもなかった。いや知らなかったのだ……。 成形炸薬弾の直撃によってエリカの装甲に穴が穿たれる。ダメージは見た目にも明らかだが、エリカもやはり躊躇することなく次の一手を繰り出してきたのだった。 「ヒトの限界ってモノを教えてあげるわ」 言い回しは穏やかだが、実に強烈な破壊力を秘めた一撃が豪一の機甲歩兵に襲い掛かったのだ。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加