修羅の群れ

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「俺、なんか悪い事したかなぁ……」 絶望的な数字の前に、豪一は目眩を覚えていた。生体金属オリハルコンを纏った機体の底知れない力に戦慄し呆れてもいた。 (ほとんど、無限の稼働力ってのは、まるでゾンビじゃねぇか……) 尋常ならざる敵の前に、豪一は改めて気持ちを奮い立たせると機甲歩兵を猛烈な勢いで後退させ始めた。 「あっ!?、逃げるつもり!!」 「少尉殿、悪いがアンタとは、接近戦でやり合う気はねぇんでな!!」 孫子の兵法にある、"三十六計逃げるに如かず"をためらう事なく実行する豪一の頭の中には生き延びる為の算ざんしかない。
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