修羅の群れ

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2体は、もつれ合い斜面を海岸線に向かって転げ落ちていく。落ちた先で豪一の機甲歩兵はエリカの機体に馬乗りにされタコ殴り状態で装甲板を歪ませ剥がされていく。 「解体してあげるわ♪」 「趣味悪い、笑い声をあげやがって!!」 豪一はエリカに悪態を付くものの、機体をガッチリと押さえ付けられ丸裸にされていく状況には変わりない。ついにコックピットの装甲板を剥がされ豪一は無防備の状態にされてしまった。 「どうされたい?」 「どうするかは、自分で決めるぜ!!」 そう叫ぶと豪一は座席の上にあるインジェクションレバーを思い切り引いた。床を固定していた爆破ボルトが弾けて床ごと座席を空中に放出する。空高く打ち上げられた豪一を目で追い掛けたエリカは機体の下半身を思い切り沈めると一気に解放して空中に踊り上がる。 「なっ!?、なにーっ!!」 空中にいた豪一を座席ごと右手で掴み捕らえたエリカの機体はそのままゴロタ石の海岸に降り立ち激しく石を飛び散らせる。 「もう逃げられないわ」 エリカの機体の右手に握られた豪一は、その言葉にも臆する事なく彼女の機体を見上げ厳しい視線で睨み付けていた。
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