業火の中で……

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 さかのぼる事、六ヶ月前……。  陸上自衛隊木更津駐屯地、資材倉庫の一角でソレは始まった。 「直感と経験値だけが頼りなんてのは時代遅れだわ!!」 「バカ言え!!、機械ってのはちょっとした微調整ってのが大切なんだぜ」 倉庫の中央に鎮座するヒトガタの兵器、この世界の自衛隊では、機械化機甲歩兵と呼ばれるシロモノだ。その前で一組の男女が言い争っていた。 男の方は、坊主頭にごっついガタイ、顔つきは、愛嬌たっぷりのゴリラと言った方が良い、つまりイケメンでなく不細工なのだが、太い眉毛と力強い目元が意志の強さを感じさせていた。Tシャツと作業ズボンのいでたちは、むさ苦しさ満載だ。 一方、女の方はアメリカ陸軍の女性士官の制服をビシッと決めてその均整の取れたプロポーションを見せつけていた。髪は飴色のセミロング、顔立ちは端正で大きな瞳が硝子玉の様に輝き知性の高さが伺いしれた。 そんな二人が言い争っている原因が例の中央に鎮座するこの兵器だった。 「この時代にアナログ的な対応策だなんて、どうかしてるわ!!」 「バカ言え、機械化機甲歩兵だってな愛情たっぷりに可愛がってやりゃあ、素直に応えてくれるぜ!!」 「貴方は、機械フェチでいらっしゃるんですね……」 女は明らかに男に対して嫌悪感たっぷりに嫌味な言葉を口にしたが、男は下品な言葉で更に痛烈に反撃したのだった。 「あんたみたいな、女はさぞかし不感症なんだろうな、可愛がりもねぇってもんだ!」 余りの下品な男の言い種に女は顔を真っ赤に染めて、ボソッと呟いたのだった。 「何で知ってんのよ……」 「はぁ!?、図星かよ…… 」
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