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エリカは豪一の骸をかつぎ上げ、自らの機体によじ登り始めた。内臓が垂れ下がり引き摺られ機体の表面に血と体液のペイントが施される。やがて、コックピットの入口にたどり着いたエリカは豪一の体をそこに投げ入れたのだった。残りの肉片と半身も残らずぶちこむと自らも、その身を沈めたのだった。
「"コレ"の力が必要ね……」
そう言うとエリカは自らの右腕を開放した。右腕は帯状にほどけ、螺旋状に展開すると豪一の体を繭の様に包み込んでいく。彼女は、その激痛に意識を消失していった。
動きを止めた、エリカの機体の周りをギガント達が取り囲み肉の壁を築き上げる。米軍は、そのギガント達の動きを見て部隊の矛先を肉の壁へと変えた。
そして、"強襲揚陸輸送艦いなば"では、艦長の植村とドブスレンコ大尉は偵察用ドローンからの映像で、この状況を把握していた。
「さすがだな、ドブスレンコ大尉、しかし、米軍には許可を取っているのか?」
植村艦長の問いかけにドブスレンコ大尉は、眉間にシワを寄せて苦笑いしながらサラリと呟いた。
「米軍(アレ)が許すと思います?、私の独断専行ですわ……」
その言葉に植村艦長はニヤリと笑いを浮かべ。独断専行と言うドブスレンコ大尉の行動力に心中、舌を巻いていた。女性の直感的な鋭さが積極性を後押ししているのだろと彼は思っていた。
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