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「おやおや、どうやら、もう尻に敷かれてるようだがぁ!?」
響子は豪一を見ながら困った様に苦笑いするとエリカの方を向き頭を下げた。 エリカはその所作に驚き響子に尋ねた。
「えっ、そんな事、ないですよ!?、成り行きです、成り行き!!」
あわてて、否定するエリカの背後から豪一が彼女を羽交い締めにして耳元で怒鳴り散らした。
「俺の知らない所で色々、好き勝手にするんじゃねぇ!!」
そんな2人を見て、響子は腹を抱えて、大笑いしている。
「ハハッ、仲のええが一番だがなぁ」
「響子!!、早い事、豪一に要件を伝えてやれ!!」
のんびり、のらりくらりとやり取りする響子の後ろで、父親の豪三がイライラと不機嫌そうな顔つきで立っていた。
「本当、この人は死んでも、せっかちな所はなおらんでな……」
響子が豪三を見ながら、ため息を付いているが、当の本人は全く自覚していないから始末が悪い。
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