彼岸の彼方

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マリナの言う理とは、宇宙自身を動かしている力の事だ。宇宙自体が一つの生命体であり、恒星や惑星にも寿命がある。人間と比べると、とてつもなく長い年月を経るので無限にも思えるが星々も死ぬのだ。 そう、いくら絶大な権力を持つ者でも自然の摂理である"死"からは、逃れられないのだ。 「そのお嬢ちゃんの言う通りやなぁ、人間なんてのは直ぐに有頂天になって自然の摂理を無視しよるからなぁー」 響子はそう答えるとマリナの後ろから大きく頷き同調していた。マリナの横に立つ男も微笑みながら小さく頷いていた。その男の顔を見てエリカは息を飲んだ。 「ルーク……、あなたは……」 「元気そうだね、エリカ」 金髪の端正だががっちりとした顔立ちに笑みを浮かべルークと呼ばれた男はエリカを抱き締めた。 「そいつが前の彼氏かよ……」 そう口にしてそんな2人を豪一は少し頬を膨らませ、ふて腐れた様な表情で見ている。
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