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「ふふっ、決まりね、もちろんパイロットはエリカ、貴女よ!!」
アルケミアは実に嬉しげにエリカを指名し、その端正な顔立ちを薄気味の悪い笑みで満たしていた。
「アルケミアさん、エリカお姉ちゃんや豪一お兄ちゃんが犠牲になる事で世界は救われるの?」
マリナの素朴な疑問を呈する問い掛けにアルケミアは顎先に右手の親指を当てて右に小首を傾げると笑いながら答えた。
「今の私には分からないわ」
アルケミアの答えに一堂が唖然とする中、エリカは額をぴくぴく動かして右手を震わせるとアルケミアの左頬に右手の拳を打ち込んだ。
「ふざけないで!!、あんたのワガママに付き合う義理はないわ!!」
アルケミアはエリカの拳を受けて、口元から血を流しながらも平然として薄気味悪い笑みを絶やさない。
「あんたが何をしたいかは、分からねぇが少なくとも、この世界が無くなる事だけは避けたいんだな?」
豪一の問い掛けにアルケミアは静かに頷きポツリと呟きを洩らした。
「民亡き世界に神は必要ないわ……」
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