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「お、帰ってきたな、轟二曹、生きてたか」
顔はニコニコと笑っているが、目は笑っていない、正直ヤバい状況である事は一目瞭然だった。
「安住一佐、米軍から横槍が入りましたか?」
「ああ、責任者の役目は果たしてきたがな、キツイぞキミも行くか?」
安住一佐の目が上目遣いで豪一を見るが、そこには、怒りの色は見えなかった。逆に豪一は戦々恐々とした気分に落ちいった。
「うむぅ、途中までは、イケると思ったんだが、アレは反則だな、あんな化け物をアメリカが製造しているとは……」
「安住一佐、あんまり"化け物"っていうのは、マズイですよ本当……」
豪一は、しどろもどろになって安住一佐に答えるが、冷静に考えると、安住一佐は何処かで豪一達を観察していた事になる。
「安住一佐、どちらでご覧になっていましたか?」
本当に喰えない、オヤジだと豪一は思った。中間管理職だが、上手く立ち回っているところがなかなか、小憎たらしい。
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