18人が本棚に入れています
本棚に追加
木更津駐屯地の主力部隊は対戦車ヘリコプターいわゆる、戦闘ヘリだ。機甲歩兵は長距離移動に関しては、トレーラーかヘリコプターに頼らざるを得ないので、ここ木更津は首都圏防衛や移動手段の確保としては、絶好の位置あると言って良かった。
「轟二曹、俺たちは明日から五菱重工の横浜工場に缶詰になる」
「えっ、またなんで?」
豪一は、豊田整備長に驚きながら問いかける。豊田は右手の親指を外に向ける。そこには、残骸と化した機甲歩兵の姿が見受けられた。
「アレのリビルトと再調整、ぶっちゃけ、新型にリニューアルしちまうのさ!」
キョトンとする豪一に、豊田は、笑いながら続けて言ったのだった。
「俺たちが留守の間は、米軍さんのシュミレーターで、訓練してくれって言ってたな、安住のオヤジ」
「オレだけ、置いてきぼりですか……」
「ふはは、そう、しょげるなよ、綺麗なお姉さんが2人も一緒にいてくれるんだろ!。オレの方が替わって欲しい位だぜ」
落ち込む、豪一に対して豊田はニヤリと笑みを浮かべて言ったのだった。
「あの2人は、美女の野獣って感じだな、油断してたら首根っこに噛みつかれちまいますよ」
ナターシャとエリカの2人に散々振り回された豪一が心から思う事が言葉に現れていた。
「まっ、俺たちが帰ってくるまで、修行だと思って辛抱してくれ!!」
豊田整備長の声を耳にしながら、豪一は明日から始まる、2人の野獣を相手にする日々の過酷さを思い、ガックリと肩を落としたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!