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翌朝、豪一は、五菱重工横浜工場にトレーラーで向かう豊田整備長達を見送ると、敷地の向かいにある、ジェネラルベビーインダストーの拠点ビルに足を運んだ。
ビルの入口では、ナターシャが、舌舐めずりをして今や遅しと待ち構えていた。
「うふふ、ようこそ、私達の施設へ、歓迎するわよ」
ナターシャは、初めて出会った時と違って、その美しい金髪をアップして頭上で団子の様にまとめ、縁無しの眼鏡をかけた、研究者らしい出で立ちだった。
「え、はぁ、よろしくお願いします」
何か調子が狂う、ナターシャの白衣の下から、袖無しのタンクトップと黒いミニスカートがチラリ、チラリと見え隠れして扇情的だ。
「あら、どうしたの?。何か気になる事でもあるのかしら?」
気になるってもんじゃなくて、気になってしょうがない状態だ。正直、のっけから一撃を噛まされた感じだ。ナターシャは、意味深長な眼差しで豪一を見ていた。
「おい、おい、何か変だぜドブスレンコ大尉殿?」
「私って、魅力ないかしら?」
ナターシャは小首をかしげ豪一を妖艶な眼差しで見つめる。そして耳元に口を近づけると、優しく囁いた。
「今夜、私の部屋へ来て頂戴、いい事を教えてあげるわ」
このタイミングで、それを言うか!!、と豪一は思ったが食わぬ据え膳なんとかっていう諺もありって事なので、罠と知りつつ、話しに乗っかる事にした。
「了解致しました。必ず、伺わせて頂きます!!」
豪一はかなり上図った調子でナターシャに承諾の返事をした。頷いた彼女は身を翻し豪一を施設の奥へと、誘う。
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