＝タクティカル・ギガント＝

エリカ =復讐の女=

茅場=エリカ=ビルシュタイン、２７歳、アメリカ陸軍少尉。これが、私の名前と身分だ。士官学校を出て６年、今の所属は極東在日米軍高機動歩兵実験大隊。

極東の小さな島国の片隅にある小さな基地で、その実験は行われていた。基地の名は、日本国、陸上自衛隊木更津駐屯地。東京湾沿いにある風光明媚な基地だ。

私の母は日本人で、故郷は静岡県の沼津市。７歳位の時、一度その母の実家に行った覚えがある、もう２０年も前の話しだけど……。

しかし、その日本で一緒に仕事する男は、私の想像を絶するヤツだった……。 容姿、思考、行動、人格、どれをとっても私の規格外の男。

それでも惹かれたのは、ある意味、男気というサムライチックな所に興味があったのかも知れない。

腐れ縁だと分かるのは、ずっと後の事で運命的というより衝撃的で絶句しましたよ本当に……。

とりあえず、話しを戻して、西暦２０２３年１０月１日、私はアメリカ合衆国、カリフォルニア州、サンフランシスコ市で誕生、父親はドイツ系アメリカ人、シリコンバレーのＩＴ企業に勤めている。母親は父親とは、父の会社で東京の日本法人で出会ったらしい。

｢ちょっと、ちょっと、エリカ!?、起きなさいよ!!｣

｢えっ!?、はぁ、おはよう、お母ちゃん……｣

｢ハハハ、母ちゃんのおっぱいでも吸ってやがったかコイツ｣

寝ぼけまなこの私は、顔を上げ、辺りを見回すとそこは、木更津駐屯地の試作拠点ビルのブリーフィングルーム。ナターシャと豪一に突っ込まれ、正気に返った私は赤面したのだった。