エリカ =復讐の女=

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ともあれ、最初は教官が10人、生徒5人から始まったこの養成機関も今や、士官候補生4000人を超える規模になり、歴史の教科書に出てくる人物を数多く輩出していた。 私も自らの目的を達成する為に、この道、つまり復讐をする力を手にする為、必死になって挑み、勝ち取ったのだが、入ってからが又大変であった。 元々、勉強の出来る人間ばかりが集まってくる中で、それなりの成績を保つ為には、日々の地道な努力が必要だし、毎日、運動部活動もあるので体力もいる。 おまけに体育も毎学期の体力テストに受からないと退学になる厳しさだ。 学力試験や課題提出も例外なく厳しく、もちろん留年は出来ないので健康管理は重要だ。 そして、学科では軍事技術や統率者理論を学ばなければならないし、学校行事は無論絶対参加が原則だし、毎日のフォーメーションや色々な当番や役職もこなさなければならないので大忙しなのだ。 この養成過程を士官学校では4年間で履修しなければならない。しかも、その他、全ての行事、集会、部活動、種々の訓練に参加し夏休みさえも、軍事訓練などに大半の時間を費やしてしまうのだ。 その上で、卒業後は国民の自由を守る為に命を捧げる覚悟を持っている者達である。 人生に対する姿勢と真剣さが一般人とは桁違いに高い。それゆえに、士官学校を卒業出来た者は、皆、自信と自負を持っており、社会をより良くする為の努力を惜しまないし、問題があれば、自らの力で解決しようと努力する。 いつでも誰か他人のせいにしたり社会が悪いからなどと文句を垂れる他力本願な人間達とは完全に対極に位置する人間なのだ。
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