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厳めしく、格調高い、厳格な学びやは、外から来た人間にとっては、異世界にほかならない。
必死になって学んでいく中で自らの血肉になっていく規律と習慣。仲間達との絆も深くなっていく。日本語に"同じ釜の飯を食う仲"という言葉があるが、正にそれだった。
そんな中、私にも春がやってくる。一年上の先輩に恋をしたのだ。もっとも忙しい毎日だから、恋愛にうつつを抜かす暇などないのだが……。
ナターシャのおかげで、私は先輩に気持ちを伝える事が出来、私は先輩と愛を育んでいった。お互いに高め合っていく毎日は本当に充実して楽しかった。
やがて、先輩は卒業する時に私に指輪を渡してくれた。将来を約束されて、私は舞い上がっていたのだろう。その後に引き起こされる厄災と悲劇の事など考えるよしもなかった。
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