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豪一とエリカを乗せた車は、快調なスピードで東京湾アクアラインを走っていた。木更津側は4.4㎞の海上橋になっており、見晴らしが良かった。
「運転好きなんだ……」
「おぅ、ガキの頃から動くモノは大好きでな!」
「さすが、重機マニアね、あっ、機械フェチか……」
「口が過ぎますな、少尉殿」
豪一は、チラリとエリカの方に視線を走らせ、たしなめる様な目付きで見る。
そんな様子の豪一にエリカは口を尖らせて注意する。
「しっかり前を見ててよ、事故死なんて、イヤよ」
「そうも、言ってられねぇな、後ろから厄介なヤツに食い付かれてるぜ」
豪一のその言葉にエリカはサイドミラーに視線を移し後ろの黒い車を確認していた。
「えっ、マジ!、何か映画みたいだけど!!」
「おめえーっ、楽しんでるだろう!、だから厄介だって言ってるんだ!!」
そう言うと、豪一は、車のアクセルを深く踏み込んだ。スバル製の水平対向ターボ付きの2リッターエンジンはその操作に素早く反応し爆発的な加速に転じる。
「うわぁーっ、やだぁーっ、ちょっとヤバくない、この速さ!?」
実際、ヤバい速度に達していた。フルスケールの速度計は260キロまで刻まれているが、既に針先は200キロに迫っていた」
「このまま、トンネルに入って一気にぶっちぎる!!」
豪一はそう言いい、口角を上げてニヤリとすると、更にアクセルを踏んだ。
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