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2人は渋谷センター街に戻り、その足で文化村通りの先にある、道玄坂に面した百貨店に入る。エリカはアメリカにいる父親に父の日のプレゼントを送り出していた。
「さあて、用事も済んだし、帰るぜ少尉殿!!」
「少し遅いけど、食事位して帰らない?」
少しはにかむ様に上目遣いで豪一の心中を探るエリカに彼は戸惑い気味だ。
(まるっきりデートだぞ、この展開は……)
心中でそう思いながらも、豪一はこの提案に乗る事にする。彼も少し浮かれていたのかも知れない。
「ちょっと、今日は変ですな少尉殿?」
「あら?イヤなの!?、こんな美人と一緒に食事出来る機会なんて、めったにないわよ!」
「自分から美人っていうヤツがいるか!!」
「誰も言ってくれないから、自分で言うの!!」
むくれるエリカに豪一は、ガイドブックの記事を見せて好きな店を選ぶように促したのだった。
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