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しかし、危機は思ったより早くやってきた。ギガントがビルの壁面を這い上がってきたのだ。レストランのガラスを打ち破り、室内に侵入してくる。
「ほらぁ!!、言ってる先から、コレよ!!」
「こりゃ、ヤバ過ぎる展開だぜぇ!!」
ギガント達は15メートル程の巨体だから、その破壊力は半端なく強烈だ。しかし、それ以上に問題なのが、小さなギガント、米軍はゴブリンと呼び警戒していた奴らだ。その、人を喰らう悪鬼がギガントの開けた穴から侵入してきたのだ。
レストランの中で、自在に暴れまわるゴブリンに客達が翻弄され、次々と捕食され阿鼻叫喚の世界を呈していた。
「最悪だぜぇ……、こりゃあかんな……」
「簡単に諦めないでよ!!」
諦め気味の豪一をエリカは叱責して奮起する様に促すのだが……。エリカは額に浮かんだ脂汗を右手の甲で拭った時、ポケットのスマホが着信音を響かせた。
「誰よ、こんな非常時に!!」
スマホの画面をチラリと見て、エリカは目を見張る。
「ハロー、エリカ生きてる?」
「何、悠長な事言ってんの!!、ナターシャ、今、取り込み中よ!!」
「大丈夫よ、今、助けてあげる」
ナターシャの声の後から爆発的なエンジン音が響き、ビル陰から戦闘ヘリ、AHー64アパッチ・ロングボウーが姿を現す。複座のコクピットの後部座席にナターシャの姿が見える。
「エリカ、そいつを片付けちゃうから、退いてて」
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