=渋谷攻防戦=

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ナターシャの言葉が終わらないうちに、アパッチの30ミリチェーンガンが火を吹きギガントの体を削り取りゴブリン達を飛び散らす。とどめは、ロケットランチャーからのロケット弾の乱れ撃ちだ。 「なっ、なに考えてんのよ、アノ娘は!」 「少尉殿!!、こっちへこい!!」 エリカは豪一の言葉に素早く反応すると、豪一、目掛けて思い切り飛び込んだ。タックルの形での体当たりは強烈で2人は同時に呻いた。 「痛ったぁ……」 「少尉殿、結構重いですな……」 豪一に抱き付いた形でエリカは爆発の衝撃を避けていた。沈黙し無言で抱き合っている2人にナターシャからマイク越しの言葉が投げ掛けられた。 「エリカ、仲良くやってるのは良いけど、後は自分達で脱出して頂戴ね。コレはプレゼントよ!!」 エリカはその言葉に自らの格好に気付き、あわてて豪一から離れた。 「なによ、プレゼントって!?」 ナターシャのアパッチヘリから吊り下げられたボックスがヘリの旋回の遠心力を利用して空中に解き放たれ、レストランの中へ飛び込んでくる。2人の目前を凄い速さで通りすぎ反対の壁に激突して止まった。 「随分、手荒なプレゼントだな……」 豪一はボックスのベルトを外しながら呟くと、勢い良く蓋を開けた。ボックスの中を覗き込む2人の目に映るのは、大量の銃器と弾丸だった。 「コレで脱出しろっての、ナターシャ、やってくれるわね……」 「ありがてぇ♪、さすがは、ドブスレンコ大尉 、気が利くぜ」
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