=渋谷攻防戦=

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エリカは、拳銃を手に取るとスライドを引き薬室内を確かめ、弾倉をグリップに叩き込んだ。次々と素早く確認し銃器を仕上げていく。 「はぁ、さすがは米軍仕込みだ、無駄がねぇな」 「感心してないで、バックに銃器を詰めて頂戴」 豪一は、エリカに促され、いそいそと銃器をボストンバックに詰め始めた。 エリカは合間に襲いかかってくるゴブリンを50口径のデザートイーグルと呼ばれる、オートマチック拳銃で撃ち殺す。さすがに幼い頃から拳銃を撃ち馴れているだけに、堂に入った所作で事もなくやってのける。 (さすがに銃社会、アメリカ育ちだぜぇ、おっかねぇ女だよ、少尉殿……) 「なにか、言った?。軍人なんだから、銃位、撃てるわよね?」 エリカは豪一を射竦めるように見据え問い掛けた。軍人として、当たり前だと言わんばかりの態度だ。 「お、おぅ、一応は軍人だからな……」 なんとも歯切れの悪い口調で答える豪一だが、それには、理由があった。もちろん、普通に拳銃やライフルは手にするし、射撃訓練もこなすが、銃器の特性である人殺しの能力に突出した部分に違和感を感じて本能的に避けてしまうのだ。 その事をエリカに伝えると……。彼女のは当惑気味に答えた。 「あきれた、貴方、それでも軍人!?」
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