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「9㎜パラベラムだと、止まってくれないわね、45ACPに切り替えるから、コルト・ガバメントを頂戴」
エリカの言う、9㎜パラベラム弾はイタリア製造の拳銃ベレッタの使用弾だ。小口径高速弾で貫通力はあるがマン・ストッピング効果が今一なのだ。
つまり、人間の突撃を止める威力が劣るのだ、それを感じたエリカは、すかさず拳銃の交換を豪一に催促したのだ。
彼女が受け取った銃はコルト・ガバメント、あのルパン三世で銭形警部がぶっぱなす拳銃だ。
女性が持つには、少々デカイグリップをエリカは難なく握りしめ、銃口をゴブリンに向け引き金を引く。
45ACP弾の弾頭に十字の傷をつけ、中身を剥き出した状態で弾倉に装填する。通称、ダムダム弾、標的に命中した弾頭は衝撃で潰れ、内部をズタズタにする。
「その弾頭は、人道的にどうかと思うがな……」
「化け物に人権なんて、ナンセンスよ!!」
エリカの目に再び、アノ、情念の焔が浮かんでいる。このヤバい状況下でヤバい精神状態になるのは、豪一にとって非常に厳しい選択を迫られるのだ。
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